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『マンション・オブ・マッドネス 第二版』

11月に表題のゲームを手に入れました。
先日やっとまともにプレイできたので、とっても今更ですが簡単なレビューを書いておこうと思います。

 一時期このゲームは入手困難だったんですが、2ヶ月ほど前に再販されて今では普通にAmazonで購入可能になりました。とはいえボードゲームでは珍しい諭吉さんクラスの大物。おいそれとは手を出しにくい面もあると思います。ソロで数回、友人と1回「インスマスからの脱出」をプレイした程度でのレビューとなりますが、少しでも購入を迷ってる方の参考になれば幸いです。

 
 言うまでもないことですが、このゲームの最大のウリはやはりAPPとの連動でしょう。サポート的な使い方というよりはむしろAPPの方がゲームの本体と言えるかもしれません。「あると便利」ではなく「ゲームに必須」です。シナリオ選択から探索者の決定、初期タイルの配置など、最初からAPP任せで始まり、ゲーム中もタイルやカードはAPPの指示に従って配置したり取得したりすることになります。自分が想像していた仕組みとはかなり違いましたが、これはこれで面白い試みだと思いました。
 何をAPPが処理し、何をプレイヤー側で管理するのかは以下をご参照ください。
 
【APP側ですること】
 ・初期セッティングの指示。
 ・隣接探査ポイントの処理。
  (新しいタイルの配置指示)
 ・調査ポイントの処理。
 ・神話フェイズのイベント。
 ・異形の出現。
 ・戦闘の指示と異形の体力管理。
 ・時間経過イベント。
 ・OPとED。
 
【プレイヤーが管理すること】
 ・探索者と異形の移動、位置管理。
 (ただし異形の移動は法則がある)
 ・探索者の体力、正気度、所持品。
 ・各種の判定(ダイスロール)。
 
 初期状態では探索者の見える範囲しかタイルが設置されておらず、移動するにつれて視界が広がる(タイルを設置していく)のがとても面白いです。ホラーテイストな作品性と合っているし、これぞAPP連携ゲームならではと言えるのではないでしょうか。
 
そのほか、個人的な雑感としては以下のような感じでした。
 
【良いところ】
 ・ソロでも十分遊べる。
 ・初期準備の労力が少ない。
 ・音声、効果音が入るので雰囲気出る。
 (夜ひとりで遊んでいると怖くなる)
 ・パズルが自動で処理され快適。
 (前作よりもゲーム性があって良い)
 ・追加シナリオがAPPで手軽に遊べる。
 
【イマイチなところ】
 ・APPの操作が煩雑。
 ・小さな画面だとせせこましい。
 ・具体的な勝利条件が分かりにくい。
 
 基本的には好印象です。クトゥルフ系のゲームは勝ち負けよりも世界観を如何に楽しむかに重点が置かれている面があり、いわゆるTRPG的なアメゲーです。APPの導入はその雰囲気作りに大きく貢献しているうえ、前作の欠点だった準備の煩雑さが大きく減っている点も自分としては評価できます。
 その反面、ゲーム中にやたらとクリックさせられるところは、ビデオゲームであれば普通のことですが、ボードゲームだと何故か面倒さを感じてしまうのが不思議なところ。また、小さなノートPCを複数人で覗き込みながら遊ぶのは正直イマイチだなと感じてしまいました。いっそスマホを手番プレイヤに渡して状況をみんなに読み上げてもらうやり方のが良いんでしょうね。ちなみに自宅ではSteam Linkで大型TVに映しながら遊んでます。効果音やBGMも大きく聞こえるので没入感が半端ないです。
 それと、シナリオ進行がAPP任せになったことで、次に何をすれば先に進むのかが探索者側に明示されなくなり、まるで大昔のアドベンチャーゲームのようなフラグ探しを強いられる点はマイナスだと思いました。実際に先日友人と遊んだときも、最後の勝利条件が曖昧で、指示された通りに行動したと思っていたのになぜかゲームが終わらず、時間切れで敗北してしまうという残念な結果になりました。後述するアクション数の少なさとあいまって、初めてのシナリオで勝利条件を満たすのはかなり難しいと感じます。
 
 とはいえAPPの導入は、アナログゲームの利点である、目の前にあるシンボル(ボードやカード、フィギュア)の手触りや質感からインスピレーションを受けてイメージを膨らませる楽しさと、デジタルゲームの快適さをいいとこ取りした新しいプレイ感が得られるのが面白いです。探索者と異形の位置情報がAPP側にあればもっと自動化できて快適だったろうとは思いますが、そうすると実際のボードやフィギュアが完全に冗長になってしまうし、「もう全部APPで良いのでは?」と思う人も出てくると思います。おそらく製作者側もいろいろ検討した上でのこのバランスなんだろうなと感じました。そもそも駒の位置も把握させようとすると、プログラムが複雑になって無料提供も難しくなりそうですしね。
 
 ちなみにこの手の協力ゲームのお約束ではありますが、難易度がやや理不尽に高いです。そういった意味で個人的に不満だった点を挙げると以下のような感じです。
 
 ・アクション数が少なく勝ち筋が狭い。
 (詰将棋のようになりがち)
 ・強制的にダメージを負うことが多い。
 ・異形が唐突に出現することが多く、
  対応が難しい。
 
 それとこれは人によるかもしれませんが、神話フェーズのイベントがランダム発生であるため、シナリオの流れとチグハグになることも多く、白けがちです。APPのおかげで前作よりも細かく状況が語られるため、以前のボードゲームであれば許されていた緩さが許せなくなってしまうというか。これ以上の整合性を望むならいっそ普通のビデオゲームかTRPGをやりなさいということなのかもしれませんが、まだやりようはあるはずなので、今後の改善に期待します。
 
 ちなみに、正規のルールだとどうしてもクリアできない場合は、探索者の手番アクション数を3回に増やすのがおすすめです。それでもシナリオによっては頭を使わないと勝てない事が多いので、一緒に遊ぶ人の合意が得られれば十分アリだと思います。楽しく遊ぶための工夫ができるところがボードゲームの良いところであり、APPと連携していてもそういった懐の広さを残している第二版は絶妙なデザインと言えるのかもしれません。
 
 以上、苦言も書いてしまいましたが、総じてよくできたゲームだと思いますので、値段分の価値はあると思います。クトゥルフ神話好きで、この手のゲームを一緒に遊んでくれる人がいる幸運な方は是非手にとってみて欲しいです。
 
 最後になりましたが、一緒に遊んでくれた友人たちに心から感謝を。今年は忙しい中、いろいろ付き合ってくれて本当にありがとうでした。
 
 それでは良いお年を!
 

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