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『Passengers』

久しぶりに心に刺さる映画を観たのでご紹介。

ジャンルはSFほにゃららです。

いやー、最近思うんですけどね、やっぱり映画って何も知らずに観るのが一番ですわ。恐らくTVCMやらなんやらであらすじ語られてると思うんですけど、自分は幸い事前情報をほとんど入れずに観に行けたので最後までどういう展開になるのか先が読めず、深い没入感が得られたのは幸運だったと思いました。何も言わずにただオススメしてくれた会社の先輩に感謝です。

 
と言うわけで以下、感想を書きますが、これから観る予定があるのであれば、これ以上読まないで先に映画を観た方がいいです。私の友人の方々におきましては、例によって数ヶ月後にBDを送りすると思いますのでまたよろしくお願いいたします。
 
 
さて、いかにも傑作だと言いたげな書き出しにしてしまいましたが、この映画は人を選ぶと思います。主人公の男女二人のメンタリティにどこまで同調できるかがポイントではないでしょうか。男性側の心が清すぎると最初の事故以外に何事も起こらず静かに物語が終わってしまうし、かといって欲望のまま開き直ってしまった場合、後半は恐らく「ミザリー」ばりのサイコスリラーと化してしまう恐れもあったわけで、適度に心が弱い反面、誠実な一面も持ち合わせるという、ちょっと複雑な性格でなければあのような話にはならないわけです。このややこしい人間性を「そういうこともあるかもね」と受け入れられるか「リアルじゃない」と感じるかで感情移入の度合いがまったく変わってきそうな気がしました。また、女性がこの映画を観た場合、感情移入する対象は当然、女性主人公になるかと思うのですが、あれはどうなんですかね。男性よりももっとハードルが高いように思えました。自分は男なのでなんとも言えないんですが、ああいった心の動きってありえるのかな。ちょっと寛容すぎませんか。これはいつか身近な女性に直接聞いてみたい。正直、男の自分からみるととてもありがたい存在で、言い換えると男に都合のいい女性像となってしまっているような・・・そんな気がします。しますが、それでもああいう女性が居てくれたら幸せだなと思ってしまうのが男の性なんですよねえ・・・。
(追記:某レビューサイトに「自分は女だけど相手の男がイケメンの技術者だったのでまあ許せる」的な書き込みがあって、思わず「うーん」と考え込んでしまった。そんな単純な話なんかな(笑))
 
登場人物たちの心の動き以外にも御都合主義的なところは多々あるし、科学考証もところどころ大雑把でハードSFとも言いにくい。ただ、SFという非現実的な舞台設定がストーリーに効果的に絡んでいるところは評価してもよいように思います。それと、なにはともあれ宇宙船アヴァロンが非常に良いです。とてつもなく良い、といってもいい。あの造形、スケール感、ギミックだけでご飯何杯でもいけます。だからこそ、アクシデントの描写や設定の雑さが残念でもあるんですよね・・・。もうちょっと、あの人類の英知を結集したのであろう巨大宇宙船がじわじわと機能不全に陥る過程を丁寧に、SFらしい想像力を働かせて描いて欲しかったなあというのが唯一の不満点でしょうか。あと、物語の中盤で、かのアルクトゥールスに接近してスウィングバイするシーンがあるのですが、あの場面に非常に感動しつつも、スケール感が甘い!と思ってしまいました。太陽の何十倍もある天体なのですから、プロミネンスがあのように見える距離まで近づいたら、視界の限り上下左右に無限に続く炎の壁のようになっていないとおかしいのではないでしょうか。まあ、それを言ったら、そもそもあの距離で蒸発しない方が不自然かもしれませんが。
 
最後に、この作品には考えうるラストがいっぱいあって、ゲームなら確実にマルチエンディングになってるだろうなとゲーマーな私は思ってしまうわけですけども、実際の映画でのあの終わり方も確かに素敵だと思いつつ、やっぱり女性には目的地の植民星にたどり着いて欲しかったなと思いました。もしくは、子供を作って本来二人が目指していた星に代わりに行ってもらうのでもよかったのでは。晩年ぎりぎりに作っても到着するころには子供が五、六十歳になってしまうけど。
いずれにせよ、この映画がSFサイコスリラーではなくSFロマンスで本当に良かったです。ありがちな綺麗すぎる物語として白ける向きもあろうかと思いますが、私にとっては久しぶりに心に残る映画になりました。
星野之宣の「2001夜物語」とかが好きな人には刺さる作品だと思うので、あの手のSFロマンが好きな方はマッシー(must-see)ですよ!
 

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