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『インターステラー』

例によって半月遅れましたが、あけましておめでとうございます。

今年初めのエントリーは昨年末に映画館で鑑賞した『インターステラー』の感想です。

 
大好きなSFかつ、クリストファー・ノーラン監督の意欲作とのことで、これは観に行かざるを得んじゃろうと思い、年末の忙しい合間をぬってGO。
 
ちなみに interstellar とは星と星の間の、といったニュアンスの形容詞だそうで。日本の配給会社が珍しく原題そのままもってきたなと一瞬思ったけど、考えてみたらこれまでのノーラン作品ってほとんど(全部?)原題の仮名読みなんですね。なんでしょうか、もうこの監督の作品は仮名読みで行こうよっていう不文律でもあるんですかね。確かに一般的じゃない英単語ひとつっていう、キャッチーな日本語に訳しにくいタイトルばかりなのは分かるんですが。
 
えーっと、それで感想を少し。年末にも少し書きましたが、思ってたよりは面白かったです。思ってたより、というのは、この映画の売り込み方が少し大げさだったので、「インセプション」と同じ匂いがするなーと個人的にちょっと引いてしまったからなんですけど。でも心配したほどの駄作でもなく、人によっては大絶賛でもおかしくないぐらいハイクオリティな作品だったと思います。3時間という長丁場も、まったく苦になりませんでしたしね。最近、長いのが多いから慣れたというのもありますけどね。
 
良かったところ。箇条書き。
 
 ・主人公がおっさん
 ・娘が美人でお父さんにメロメロ
 ・ロボットが男前過ぎ
 
まあ、自分もちょうどあと一カ月で40一歩手前になるわけで、年端もいかない少年が世界を救いますって話にはもう感情移入しにくいわけですよ。そりゃおっさんが人類救うぜーって鼻息荒くしてる絵の方が観てて面白く感じてしまうのはいた仕方ないところじゃないでしょうか。マシュー・マコノヒーも噂通りダンディズムが滲み出てましたしね。
 
あと主人公の娘さん、超重要な役なんですけど、これまた容姿から性格から大変よろしくてですね。物事を深く観察して理詰めで理解していく姿勢とか、もう序盤からかなり琴線に触れまくりでした。うちのもこんな子になってくれんもんかなあなんて、ちょっぴり思ってしまうぐらい。
 
でも一番良かったのはロボット。「この映画で一番男前だったのは誰か?」と映画館で出口調査すれば9割以上の観客が「TARS」と答えることは間違いありません(※個人の感想です)。ちなみに見た目はこんなやつ
最初出てきたときは、またアナクロなデザインもってきたなーと正直テンション下がったものですが、動きだしたらそんな印象は一瞬で吹き飛びました。外見からは想像もつかないほどの機敏さ、柔軟さ、そして判断力。さらにはウィット(あくまでアメリカ的な)に富んだキャラクタ。この見た目とのギャップがたまりませんでした。画面の中央にいるメインキャラよりも端を走り回っているTARSの方に目がいくこともしばしば。主人公も喰われるほどの存在感ですよ。この映画のもっともエポックメイキング的な部分なんじゃないかなぁ。TARSのディスプレイモデルとか出たらマストバイでしょ。
 
 
いちおう悪かったところも少しだけ。
 
 ・結局SFではない
 ・そもそも世界観が好みじゃない
 
この映画は家族愛がメインテーマであって、SFはその味付けに過ぎなかった。少なくとも自分的にはそう感じられたところが残念でした。途中まではまっとうなSFっぽかったんですけどね。「ツインピークス」をミステリードラマとして観てたら、最後の最後で愕然とさせれたのと同様、この映画もラスト30分で目が点になりました。さすがノーラン監督。俺ワールド全開。いや、インセプションもそうだったけど、「絵」としては面白いんです。よくああいうビジュアル思いつくなとは思う。けど、SFではない。どっちかというと、「世にも不思議な物語」系でした。
 
あと、そもそも世界観が個人的に受け付けなかったのも、あまり話に入り込めなかった要因の一つかなと思います。地球環境の悪化、食糧難などによる人口減、人類の活力の喪失、緩やかな滅亡へ進む過程、という暗い未来を描いているのですが、そんなわけあるかいと敢えて強く否定したくなるような世界観でして。地球の文化力、工業力がかなり低下していて、文明レベルも今よりも落ちているような状態で、なぜ恒星間航行が可能な宇宙船なんかが建造できるのか。従来方式の農業で作物が上手く育たない、というだけで深刻な食糧難になったり、人々がみな希望を失ったりしている、というのは自分には想像しにくいです。ちょっと設定に無理がないですかね。
 
自分は人類の、特にテクノロジーの発展による繁栄を強く願っているので、その点で一部否定的な世界を描いているこの作品にはまったく共感できませんでした。
たとえエイリアンに月を破壊されても、地球が核戦争で汚染されて住めなくなっても、衛星タイタンにみんなで移住すればいいじゃない!みたいな前のめりな人類の方が好きです。
(って、あれは嘘だったんですっけ?)
まぁ、結局は宇宙に人類の種を蒔こうという話なので、あながち後ろ向きとも言い切れないのですが。
 
 
以上、久しぶりにネタバレ抑え気味で感想を書いてみました。
私には合わない世界観でしたけど、人によっては殿堂入りする可能性のある作品だと思うので、機会があったら是非観てみて下さい。
TARS可愛いですよTARS。
 

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