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『マンション・オブ・マッドネス』

クトゥルフ神話を題材にしたゲームは昔から出ていて、中でも一番有名なのはTRPGの『Call of Cthulhu(クトゥルフの呼び声)』だろうと思いますが、意外とボードゲームも探すといろいろあったりして、そのどれもが面白いので侮れません。

 
そんなクトゥルフ系ボードゲームの中で、個人的に一押しなのが『マンション・オブ・マッドネス』(以下MoM)。
 
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このゲームはTRPGとボードゲームの中間的な性質をもった作品で、TRPGのようにプレイヤーは「探索者」と「キーパー(マスター)」に分かれて遊ぶのですが、キーパーは進行役ではなくてあくまで勝敗を競うプレイヤーの一人というのが面白いところ。
 
MoMには予め複数のシナリオが用意されており、プレイヤーは全員で相談して、その中から一つを選びます。シナリオにはさらにいくつかのバリエーションがあって、キーパーがその中の1つを秘密裏に選択します。
 
あとはそのシナリオで決められたマップをタイルを並べて作成してから、探索者はキャラクターとその能力値の選択をし、キーパーはシナリオに沿ったカードの準備をしてプレイ開始となります。
 
探索者の目的は、マップ内を歩き回って事件の真相をつきとめ、解決策(そのシナリオの勝利条件)をみつけ、完遂すること。
キーパーの目的は、異形の悪しき目的(キーパーの勝利条件)を、探索者に悟られないようにしながら完遂することです。
 
「探索者の勝利」、「キーパーの勝利」、「全プレイヤーの敗北」の3つの結末があります。
 
サイコロを使うので運の要素が強い面もあるものの、基本的には思考力、判断力が勝敗に大きく影響する、非常に良くできたゲームだと感じています。
 
 
他のボードゲームと違って決まったシナリオがあるので、経験の差がプレイに影響するのは否めません。探索者の中に経験者がいるかいないかでそのセッションの様相は大きく変わる可能性があります。 
ただ、同じシナリオを以前やったことがある、と言う程度ではそれほどのアドバンテージはないのではと思います。前述したように、シナリオには複数のバリエーションがあり、キーパーがその内のどれを選択したかによって、目的や勝利条件が大きく変わるためです。
 
以前プレイしたときは諸悪の根源を時間内に倒すことが目的だったとしても、次にプレイするときは強大な異形が時間内にマップの外に出るのを阻止することだったりします。
 
前者は時間を無駄にすると不利に働きますが、後者は時間を稼ぐことが重要になっており、正反対のプレイを要求されるのです。このあたりは、なまじ、経験者がいる方が悩んでしまう場合もあるのではないでしょうか。
 
 
ただし、どんなゲームでもそうですが、セオリー(定石)をどれだけ理解できているかはとても重要です。MoMでは、多くの場合、持ち主がキーパーを担当するため、探索者が不慣れで経験のあるキーパーが有利、というパターンが起こりやすいと思われます。
 
普通のゲームであればやりながら慣れればOKなんですが、MoMは一回のプレイに1時間半~2時間ほどかかるため、繰り返しプレイして覚えるには時間がかかり過ぎます。できれば最初からある程度のゲームの流れ、セオリーを知って始める方が、すぐにガチ勝負ができて俄然面白くなるのでは・・・・、というのがこのエントリーの主旨。
 
というわけで前置きがかなり長くなりましたが、MoMを始める前に知っておきたいことをいくつか書いておきます。
 
【探索者サイド】
 
① バランスを考えて探索者を選ぶ
 
用意されている探索者は8人います。それぞれ長所短所があります。
 
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(探索者カードの例、典型的なショッカー(戦闘員)のマイケルさん)
 
探索者それぞれに<筋力、射撃、敏捷>の数値が書かれたカードと、<知力、意志、知識、幸運>の数値が書かれたカードがそれぞれ2枚あり、ゲーム開始時にそれらのうち1枚ずつを選択します。
つまり同じ探索者でも選んだカードの組み合わせで多少は能力が変わるということ。
ちなみに初期の所持アイテムや特殊能力も選んだカードに応じて2つのうち1つに決まります。
 
だいたい想像がつくと思いますが、<筋力、射撃、敏捷>は戦闘能力を、<知力、意志、知識、幸運>は探索能力を示します。
よって、知力や知識の高いいわゆる「知識人」ばかりで探索者をかためてしまうと、異形が現れたときの対処が難しくなります。
逆に、射撃や敏捷が高い「戦闘員」ばかりだと、ロックや障害を解除するのに時間がかかるなどの理由で探索スピードが遅くなる可能性があります。
 
例えば探索者が3人の場合のお勧めは、「知識人」、「戦闘員」、「バランス型」、もしくは「知識人」「戦闘員」「戦闘員」です。4人なら、もう一人「知識人」いるといいかも。
 
 
② 「体力」や「正気度」が低いものを単独行動させない。
 
「体力」は要するにヒットポイントであり、ゼロになると死亡扱いになりゲームから除外されます。「正気度」はいわゆるSAN値で、ゼロになると発狂して相当不利な状況になります。
 
このゲームは近くに目に見える危険がない状況でも、突然イベントカードが飛んできて(キーパーがプレイして)ダメージを受けたり、SANチェックさせられたりする理不尽なゲームです。条件が整っていれば、独りになった者を集中攻撃してゲームから除外させることは比較的容易です。ホラー映画でよくあるパターンですね。
 
そういった攻撃を、複数人でいれば必ずしも防げるとは限りませんが、装備品や武器、呪文などを使ってフォローできる場面も少なくないです。弱っている探索者にはもう一人誰か別のキャラクターを同行させる方が、危険が少ないと言えます。
 
 
③ とにかく「手掛かりカード」を探す。
 
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(マップ例、部屋には必ず何かのカードが裏向きに置いてある) 
 
勝つためには「勝利条件」が分からないと話になりません。「勝利条件」は「目的カード」に書かれていますが、最初は裏向きになっていて探索者は内容を見ることができません。
(キーパーは最初から内容を知っています)
 
「目的カード」を表にする条件はいくつかあるのですが、確実なのは「手掛かりカード」を見つけることです。
 
「手掛かりカード」はマップの各部屋のどこかに設置してあります。ただしランダム設置ではありません。シナリオおよびそのバリエーションによって置く場所が決められており、そこを探索すれば必ず見つかります(キーパーがセットアップミスをしていなければ)。
 
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(シナリオ1「リンチ家の崩壊」の手掛かりカード例)
 
「手掛かりカード」は「1※」「2※」「3※」(※はシナリオのバリエーションを表す)といったように複数枚あり、必ず「1※」の「手掛かりカード」が最終的な「勝利条件」を示す、つまり目的カードを表にするようになっています。
 
要するにこの「1※」の「手掛かりカード」をいち早くみつけるのが探索者の当面の目標なのですが、多くの場合「1※」カードはスタート地点から遠い場所にあります。かと言って、なりふり構わず奥に突き進んでも、運が良くないと見つけられないようになっている【訂正】キーになるカードがないと取れないようになっている(後述)ので、基本的には、
 
「プロローグをよく聞く」
     ↓
「そのヒントを元に最初の手掛かりカード(数字の一番大きいもの)を探す」
     ↓
「そこに書かれたヒントを頼りに次の(一つ数字の小さい)手掛かりカードを探す」
     ↓
「これを繰り返して最終的に「1※」の手掛かりカードを見つける」
 
という流れが無難だと思います。
 
もちろん、一か八かで奥へ突進して「1※」の手掛かりカードをいきなり探す、というのも作戦としてはありえますので、その辺りは探索者同士でよく相談して決めて下さい。【訂正】すみません、ほとんどの手掛かりカードは、ひとつ前の手掛かりカードと共に見つかる特定のカード(鍵や合言葉など)がないと手に入らないようになってました。よって、基本的にはやはり順番に手掛かりカードを見つけていくことになると思います。
 
なお、一番よろしくないのは、時間を浪費することです。
異形との戦闘に時間をかけたり、知力の低い探索者でパズルにチャレンジしたり、攻撃されるのを恐れて慎重に行動し過ぎたりするのは、大抵の場合キーパーに有利に働きます。
 
 
④ 探索者は死んでも補充できる
 
おそらくこれが一番重要なのですが、探索者の体力がゼロになってゲームから除外された場合、他のまだ登場していない探索者を選んでスタート地点から開始することができます
 
つまり、このゲームの探索者は実質、8人パーティなのです。馬車から飛び出すアレみたいなものだとお考え下さい。
 
ただし、前述した「目的カード」が表になった後は、補充することができません
 
「勝利条件」が示された後は、その時いる探索者だけで完遂する必要があります。
 
②で、弱った探索者を守るよう書きましたが、「目的カード」が表になる前なら死んでも補充が利くので、場合によっては見殺しにして別の探索者で再開した方が有利な場合もあります。
 
ただし有益な装備品や武器などを持っている場合は死ぬ場所に気をつけた方が良いです。できれば、アイテムを健常者に渡してから息絶えるのがベスト。
なお、探索者を一定数殺すことがキーパーの勝利条件である場合もあるので、あまり適当にプレイするのも考えものです。
 
 
以上、初心者が詳しいルールの分からない状態で読んで理解していただけるかは甚だ疑問ですが、少なくとも上記の内容を考慮しつつプレイしていただければ、何も知らない状態で遊ぶよりは面白くなると思います。覚えておいていただければ幸いです。
 
 

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Comments

呼んだ。じゃなくて読んだ。
面白そうだね。

Posted by: ササキ | July 22, 2014 at 22:10

呼ばないで(笑)
面白いと思うよ。バランス取るのが難しいけど。

Posted by: 通りすがりの管理人 | July 23, 2014 at 19:44

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