自転車購入記おまけ
(続き)
後日談ですが、防犯登録で少し苦労をしたのでその話を書いておきます。
防犯登録は自転車利用者の義務ということで、基本的には買ったお店で登録してもらいますよね。
では個人輸入した自転車はどうするのか。当然、どこかの自転車屋さんに持って行って、登録をお願いするわけですが、これが結構面倒だったりします。私は一回、個人経営のお店に持ち込んで断られました。
ポイントは、防犯登録は利用者の義務だけど、自転車屋の登録作業はあくまでサービスだというところ。要するに、お店には登録作業によるメリットがないのです。できれば自分のところで買った自転車以外は対応したくない。そう考えるのもいた仕方ないところです。
私の場合、それ以前に大きな問題がありました。
前にも書きましたが、Warranty(保証書)が白紙で、販売店やフレームNo.の記入がまったくなかったのです。DHLの運送状とINVOICE、受け取り時の領収書があるので、それらでなんとか認めてもらえないかと思いましたが、甘い考えでした。いくらそういった状況証拠があろうとも、保証書にフレームNo.の記載と判子(サイン)がない限り、運送状やINVOICEといった書類と目の前の自転車を結び付ける確固たる根拠がありません。つまり、「私が窃盗して持ち込んでいる」ということを完全に否定することができないので、お店は対応できないというわけです。まったくその通り。すごすごと退散する以外にありませんでした。悔しいですが私の過失でもあるので、納得せざるを得ません。
とはいえ、今からまたWarrantyをニュージーランドへ送付してサインをお願いするというのも、正直とても面倒です。
どうしたもんかと考えていると、帰り際、某量販店が目に入りました。ダメ元で立ち寄り、おずおずと防犯登録をお願いしてみると・・・なんと、暇そうにしていた店員さんが「はいよ!」とばかりに二つ返事で対応してくれるではないですか。いいんでしょうか、Warranty白紙ですけど。
というわけで、結果的に、量販店の店員さんの機転?で事なきを得ました。念のために書いておくと、どちらが正しいかといえば最初の自転車屋なんだろうなとは思います。
今回の教訓は、国内国外に限らず、通販で自転車を買うときは必ず「保証書にフレームNoとお店の判子(サイン)をもらえるようお願いしておく」ということでしょうね。
もしお願いし忘れた、もしくは何らかの理由で記載してもらえなかったときは、諦めて量販店へGOです。間違っても面識のない小さな自転車屋へ行くのは止めましょう。店員さんを困らせてしまうだけですから。
販売国が海外の場合は防犯登録という制度がないことも大いにあり得ます。そんなときは説明が面倒ですが、できる限りそこは頑張った方が後々のためかもしれません。
あと最後に、購入したバイクのレビューを簡単に。
約一カ月、毎日ではありませんが通勤に使用し、250kmほど走行しました。私が感じた「軽量クロスバイク」「内装変速」「ベルトドライブ」のメリットデメリットを書いておきます。
【メリット】
・メンテナンスがほぼフリー
・ギア比に無駄がない
(下から上まで使えるギアが多い)
・停車状態でギアが変えられる
・見た目がシンプル
・走行音が静か
・子供が誤ってチェーン油で手を汚したりしない
(今回は防犯のため室内保管してます)
【デメリット】
・外装変速車にくらべて価格が高い
・内装変速機の耐久性が未知数
・故障したときに修理が難しい
という感じです。
正直なところ、自分にとってのメリットは「メンテナンスが要らない」というところが全てです。それが目的でこんな面倒なことをしてまで買ったわけですし。ロードバイクに乗ってる方々からすれば、その程度の奴はクロスバイクに乗るなと言われそうですが、時間のないなか、車とオートバイとバイクのメンテをするのはシンドイです・・・・。
それとメリットの一つに走行音が静か、と書きましたが、これはデメリットにもなり得ます。特に歩道を走っているときは、気づかれにくいのでかなり気を使います。
ただ、もちろん完全に無音というわけではなく、タイヤのロードノイズはそれなりにありますし、あと良く分からないのですが、気温が高くなるとベルトから「ピシッ、ピシッ」と小さな音がします。恐らくセンタートラック式のベルトが噛みあうときの微妙なズレのためではないかと思っています。細かいところが気になる人は、センタートラック式は避けた方が良いかもしれません。
デメリットは価格が高いに尽きます。これはもう仕方がありません。日本では内装変速はロードな方々に見向きもされないため、ママチャリぐらいでしか採用されません。そのため今後のコストダウンもあまり期待できない気がします。
ちなみにロードな方々に見向きもされない理由はいろいろあると思いますが、基本的に外装変速に比べて「重い」ということと、チェーン式と違ってベルトは切れ目がないため、フレーム側にベルトを通す切れ目が必要になり、結果的に外装変速のバイクと互換性のある部品で組めない、修理の時に面倒、などが挙げられます。
この修理が面倒なのは自分も一番不安に感じている点です。ベルトドライブは、かなり大きなテンションをかけないといけないのですが、今回購入したバイクにはテンショナーがついていません。外装変速のリアディレーラのような、テンションをコントロールする機構がないのです。
テンショナーのないバイクで、どうやってテンションをかけるかというと、リアエンドに引き幅がある特殊なフレームを使うか、エキセントリックBB(ボトムブラケット)と呼ばれる、これまた特殊な機構を使うかの2択と言われています。ちなみにAVANTIのINC3は後者を採用しています。
恐らく駆動系が壊れた場合、自分では直せない可能性が高いです。今から、近くのバイク屋さんと懇意になっておこうと画策しているところです。
ところで、内装変速のデメリットとして、外装に比べ伝達効率が悪い、という話があります。歯車の機械損失は「はめ合い損失」が主たる要因になるため、足からタイヤへ力が伝達する間に介在する歯車が多ければ多いほど損失は大きくなります。よって外装よりも内装の方が効率が悪くなる。これは理論上は確かにそうなのですが、実際はどうでしょうか。
会社の自転車置き場などでクロスバイクやロードバイクをみると、毎日の通勤使用でメンテが追いつかず、チェーンやスプロケットが黒くドロドロになっていたり、錆びていたりするものがたくさんあります。「はめ会い損失」は結局のところ摩擦に起因するものなので、いくら歯車の少ない外装でも状態が悪ければ伝達効率も良かろうはずがないと思うのです。その点、汚れようのない内装変速は、いくら遊星歯車がたくさん回っていようが潤滑オイルが劣化しない限り摩擦はそれほど変わらず、伝達効率も比較的良好に維持できるものと期待しています。
以上、ぐだぐだと書きましたが、「今のところ満足しています」ということで。
おわり。