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中世に生きる(その4)

あれから数ヶ月が過ぎました。私は多くの村や城下町を訪れ、何人もの諸侯や貴族、王たちに謁見し、そして数え切れないほどの盗賊や海賊、追いはぎ共と剣を交えました。そうして私は少しずつこの世界で生きていくためのルールを覚えたのでした。
根底にあるのは武力。何をするにしてもそれを抜いては考えられません。もともと大帝国の一部であったこの地に6つの王国が生まれ、それぞれが帝国の継承権を主張するこの時代では争いが絶えることはなく、夜警国家という国の最低限の体ですらおぼつかないのが現状なのです。街道には常に危険が待ち受けており、隣の村へ移動するのですら命がけと言ってもあながち大げさではありません。無法者たちは徒党を組んでいます。私は幼少の時分より十分な武術を学んできたとはいえ、おとぎ話に出てくる勇者のように、妖しげな技を使ったり、一時に何人もの相手と戦ったりできるわけではありません。数には数で対抗するしかないのです。ならず者どもは10~20人、多いときは25人程度で一団を成しています。そこで私は、常に30名を下回らないよう、兵を確保しながら行動することにしました。そうすることで不意の会敵にもある程度対処できるようになったのです。ただし、脱走兵だけは要注意でした。彼らはかつて所属していた組織から優れた武器や防具、馬を持ち出している場合が多く、生半可な戦力では太刀打ちできません。私は何度も彼らに打ち負かされて捕虜になり、あちこち連れ回されました。
ところでもう一つ、大きな戦力となりえるのは、酒場にたむろしている同志です。大きな街にはかならず酒場があり、吟遊詩人や奴隷商人などがいるものですが、まれに誰かと一緒に旅をしたいと考えている私のような冒険者がいるのです。彼や彼女らは特殊な技をもっている者も多く、戦いの場だけでなく交易や拠点から拠点への移動でも大きな力になってくれます。私は3人ほどそのような人物と仲良くなり、行動を共にしています。一人は足跡の追跡や移動し易い経路の選定といったレンジャーの技に長けた男、一人は傷の手当などに通じている女性、そして私以上に武芸達者な謎の自称貴族です。彼ら旅の仲間と一般兵の混成軍となった私の一団は比較的安全に世界各国を巡ることができるようになりました。

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