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『ミミズクと夜の王』 読了

先日、雪が降ったので、2日間、電車で通勤しました。せっかくなので久しぶりに本を読もうと思って、友人からずいぶん昔に借りていた表題の小説にトライ。

貸してくれた人がもし、この本を気に入っているのなら申し訳ないと最初に謝っておくけど(でも多読な人なので、多分もう話の内容も、貸したことすら忘れてる、そんな程度なんじゃないかと予想したうえで)、自分には合わない作風でした。

昔、「フルーツバスケット」という漫画が好きで読んでいたのですが、あるとき、少し間をおいてから読んだら、そのあまりの「温室的内容」に気持ちが悪くなって、二度と読まなくなったことがありました。世界観、登場人物、話の展開、すべてが一人の人間の狭い嗜好によって構成されていて、たとえ表面的には三人称で書かれていても、腹話術と同じで実質的には一人称になってしまっている。そしてそれが意識的に行われているのではなくて、無自覚な創作なのではと感じるところが気持ち悪かったのです。それに気がつかず、良いと感じていた自分も。

確かに、その一人称の世界に共感できると、とても居心地の良い場所なんですよね。きっと死ぬまでそこから出る必要のない生き方ができるならば、それはそれで幸せなんだろうと思います。けど、何かのきっかけでふとそこから出て、それまでいた場所を一歩離れたところから眺めたときに、やっぱりこれじゃいけないという気持ちに自分はなった。そういう自分の感性を鈍化させて、客観的に世界を俯瞰する目を潰してまで、温室に戻ろうとは思わなかったです。

フェティシズムをもった生き方、自分の嗜好を前面に出して、好きな記号が満ち溢れた世界の中だけで生きることを否定はしません。ただ、自分がそういう生き方をしているのだという自覚がない人、そういう精神構造で創作された作品、が怖いなと思うだけです。できる限り、クリエーターには、いろいろなことを学んだり体験したりしたうえで、世間へ向けた作品を作って欲しい(同人ならどうでもいいけど)。子供のころから三度の飯よりゲームが好きで、ゲームばかりしてきた人が、そういう自分なら良いゲームが作れると思い込んでゲームを作って欲しくないということです。

ゲームばかりしてる駄目社会人が何を偉そうにと思われるでしょうが、少なくとも自分は自分が今どこまで世間からずれた特殊な生き方をしようとしているかを、できるかぎり把握していたいなとは思っています。
・・・それが成功しているかどうかは、なんとも言えませんけども。

 

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Comments

わたしも最近の少女漫画が気持ち悪くてたまらない一人です。
オ○ニーマンガにしか思えない。
質のいいものもあるんだろうけどね。
最近はコナンくんととめはね!とよつばと!しか買ってない。
あ、もやしもんもかー。コメディに流れているなあ。

Posted by: にまめ | March 14, 2010 at 23:54

ひとさまのブログにへんなコメント残してごめんよ。

Posted by: にまめ | March 16, 2010 at 21:27

コメントありがとうー。全然問題なかとよ。
作者が自分が面白いと思うものを描いたり書いたりするのは当然のことだけど、それがどこまで一般性をもっているかを客観的に判断しながら作るのと、そうでないのとでは読者の受ける印象が違うと思うんだよね。作ってるときの自分が楽しいだけで一般性がなければ、まさににまさんの言うとおりになっちゃう。キャッチーで売れ線ばかり狙うのもそれはそれで「自分の表現したいものはないんかい」とツッコミたくなるけど、少しは読み手にもいろいろな価値観の人がいることを考えて欲しいなーなんて。消費者は我がままですな(笑)
ところで、にまさんが書いてる中で、とめはね!だけ知らないんだよね。コメディ漫画?おすすめ?

Posted by: 通りすがりの管理人 | March 16, 2010 at 22:48

イキオイでコメ残してしまい、チョッチ後悔・・・。うう。
とめはね!は、ほのぼの書道青春マンガだよ~
書道にまったく興味なかったら、つまらないかもしれないけど、まったりと書道のアレヤコレが勉強になる。
書の甲子園なんて存在すら知らんかった。
「ちはやふる」ほど勢いあるまんがじゃないけど、(なにせ書道だけに)まったりしててそこがイイ。

そういえば、よつばと!ってこのブログで教えてもらったんだよね。いまや会社中でよんでるよー。よつばラヴ。

あと、よくできてるなーとおもったまんが→男女逆転「大奥」(よしながふみ)

Posted by: にまめ | March 19, 2010 at 22:50

仕事ならまだしも娯楽なんて消費者が選べる立場なんだから合わなければスルーでいいんじゃないかと。好みは変わっていくもんだしさ。
「とめはね」と「もやしもん」は買ってるなぁ。まあ他にもいろいろ買ってるけど。「とめはね」たしかドラマ化される(された?)から本屋でも目立つところにあると思うよ。

Posted by: sasaki | March 20, 2010 at 17:58

> にまさん
こちら的にはNPですぞ。とめはね!は書道漫画なのか、そういわれるとなるほどな題名だけど、正直内容があまり想像できない・・・。書道の心とか、魅力みたいなのをそれとなく教えてくれる感じなのかな。書道に特別興味があるわけじゃないけど、マイナな世界を紹介してくれるものは結構好き。なので今度、嫁をたきつけて買わせてみようかしら。しかしほんと日本の漫画って懐が深いと思うわ。
よつばと!布教してくれているみたいでGJです!いっとき連載が止まってた(?)けど再開したみたいでよかったよかった。
大奥は嫁が持ってて、たしか5巻まで家にあったはず。今度読んでみるよ~。

> ささき
仰るとおり。好みでないものをことさら手に取ったりバッシングするつもりはないんだ。いい機会だったので自分の考えをまとめてみたくなったんだけど、文章が稚拙だからやっぱり角がたっちゃったな。
とめはね!ドラマ化してるってことは人気あるんだね。知らなかったよ。最近、本屋ってお試しみたいなのあるし、見かけたら読んでみたいな。

Posted by: 通りすがりの管理人 | March 20, 2010 at 20:00

まったく関係ないはなしなのだけど、ささきんさんのHP、北京の食事風景五日目とかの予定はないのかしら?

よつばと、9巻でるのおそかったのは、連載とまってたからなのか~
年1冊なので、首が伸びる~

Posted by: にまめ | March 20, 2010 at 21:50

あっちは放置されててまして。
こっちでヨロシク!
http://manarod.exblog.jp/

Posted by: sasaki | March 20, 2010 at 23:37

ワーイ!!
ありがとぅ!

Posted by: にまめ | March 21, 2010 at 10:18

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