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映画Week(二日目)

(※以下、物語の核心に触れた文章があります。未見の方はご注意下さい。)

クローバーフィールド/HAKAISHA』を観ました。会社の人が後味が悪い作品シリーズの一つとして挙げていたのを思い出し、前日の『ミスト』つながりで借りてみたわけです。

いやー気持ち悪かった。ラスト20分ぐらいは吐き気を堪えるので精一杯でした。作品自体は平たく言えば特撮怪獣モノで、突如ニューヨークを襲った謎のクリーチャー群によって主人公たちが翻弄され、ボロボロになり、最後に死ぬまでの約80分を「記録」した映像という趣向になっています。それの何が気持ち悪いかというと、撮影手法がハンディビデオ(という設定)なんですよね。だから手振れ(っぽく見せる演出)が激しくて、乗り物酔いをする性質の私は始まって数分しないうちに早くも苦いものがこみ上げてくる始末でした。
それはそうと、この作品が力を入れているのが「臨場感」や「リアリティ」だというのは間違いないところで、そのうち前者はぼちぼち表現できていたかなと思います。さすがJ・J・エイブラムス、『トランスフォーマー』に続き、派手な爆発とわけのわからないカオスな戦場を描かせたらピカイチだなと感じました。(※9/4訂正: すみません『トランスフォーマー』の監督はマイケル・ベイでした・・・勘違いしてました)それとやはりハンディビデオの映像という演出が少なからず貢献していましたね。
ただ「リアリティ」の方が個人的にちょっといただけない。主人公の友達が偶然持ち合わせていたカメラでこの未曾有の惨事を「記録」した、という設定なんですが、それがむしろリアリティを損ねていたように思えてなりません。一般市民がこの常軌を逸した状況でビデオまわしてる余裕あんのか?と疑問を呈する人もいますが、そこはたいして問題じゃないと思っていて、なぜかというと、あれだけニューヨーク市民がいれば、中にはあの状況でビデオ撮ってるバカがいてもおかしくないと思うし、そういう人の周りをクローズアップして切り取った作品だと考えれば不思議じゃないからです。主人公はストーリー的に何も特別な人ではないですから。それよりも私が惜しいなと思うのは、一般市民が偶然撮影した映像という割には完成度が高すぎるところです。途中から素人の撮影ってことを忘れてしまうぐらいの構図、パースのとりかた、あまつさえ重要なシーンを絶対に撮り逃さない精神力。プロのカメラマンでもあの混乱した状況でここまで撮れないんじゃないかと思うぐらいです。凄いぞハッド。なんせ自分が異形の怪物に食べられるシーンですらカメラを正面に構えてるぐらいですから。どんだけ根性あるんだよ。お前生き残ってたら絶対ABC放送とかにスカウトされるって。
実際、素人映像を観てて辛いなと思うのは、「手振れ」だけじゃないと思うんです。大事な部分が写ってなかったり、まわし始めるタイミングが悪くて意味のない映像がずっと続いたり、音声が割れてたり、露光が調整できてなかったりってのが実際によくある「素人映像らしさ」じゃないでしょうか。そういうのも少しはあったけど、個人的にはリアリティを演出するには足りてないと感じました。とはいえ、この映画は全編が記録映像という趣向になっているので、その中で観客に最低限の状況を理解させるには、ある程度クオリティの高い映像を作るしかなかったのかもしれませんね。

いろいろ批判的なこと書きましたが、なんだかんだでチャレンジングで興味深い作品だったと思います。よく知らないので詳しくは触れませんが、マーケティング的にもかなり頑張っているらしく、予告編の作りが凝ってたり、作品の世界観を盛り上げるための実在しない企業のWebサイト(かなり本物らしく作られているらしいです)があったり、他にも様々な手法で「謎」を散りばめているそうです。そういうのが好きな人はかなりハマるんじゃないでしょうか。

最後にタイトルの意味ですが、一説によると「クローバー」は放射能標識を意味していて、最後に主人公達が死んだ場所であるセントラルパークが、核攻撃によって放射能に汚染された地域(フィールド)になってしまったことを暗示しているのでは、ということのようです。他にも諸説あって真偽のほどは定かでありませんが、まあエヴァと同じでこういう説明不足な作品って結構日本人好きだよなとか思ったりしました。

■総合評価
ストーリー   ★★★☆☆
キャラクター ★★☆☆☆
世界観    ★★★★★
音楽     なし

■この映画に向いてる人
 ⇒ いつも何か非日常的なことが起きないかと期待している平和ボケな人

■向かない人
 ⇒ このハンディカメラの露光コントロールプログラムはどうなってるんだと、思わず映画製作会社へ問い合わせしそうになっちゃう人

 

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