« 上には上がいる | Main | 森の湖の国でした »

妄想力って素晴らしい

先日、飛行機の中で『Shallow Hal』という映画を観ました。
無理やり訳すと「軽薄なハルさん」とかそんな感じ。邦題は『愛しのローズマリー』でこっちならどこかで聞いたことがある方もいるんじゃないでしょうか。機内上映ってだいたい映像はそのままで声だけ吹き替えてたりしてて、タイトルも原題のまんまなんですね。きっと経費とか時間の関係なんでしょうけど、おかげで日本国内の劇場版やDVD版とちょっと違ってたりして個人的には貴重なバージョンだなと思うときもあります。
で、この映画、ジャンルはたぶんラブコメです。大まかなストーリーはリンク先のページを見てください。久しぶりに観終わって少し幸せな気分になれる作品でした。
そうくれば、みなさんにも時間があれば観て下さいと言いたいところなんですけど、この作品の場合はちょっとオススメし難い感じ。なんというか粗だらけ、隙だらけなんですよね。どう考えてもリアリティとか追求してない。ラブコメだからと敢えて深く描写していない部分もあるんだろうけど、テーマが「偏見の追放」っぽいのに、余計に偏見を助長しているととられかねないようなところもあったりして、もうツッコミどころ満載。でも自分はとても良い作品だと思いました。
たぶんこの作品は、ある意味ファンタジーなんだと思うんです。といっても妖精や魔法が出てくるような意味でのファンタジーじゃなくて、「幻想的」なストーリーだという意味でです。現実ではなかなか無いことだけど、あれば良いな、こういう人がいれば良いな、という理想像みたいなのがあって、それを無理やりラブコメで味付けしたような感じ。
で、自分はこの映画の見せたいモノ、言いたかったコトが元からとても好きなんです。だから粗があってもまったく気にしない。むしろその説明不足な部分を妄想力によって自分好みに補完できるからより楽しい。
勘違いされそうなので書いておきますが、自分はこの映画の主人公のように人の外見にまったく偏見がないわけではありません。やっぱり見た目でいろいろ判断しちゃうし、それが人間の性だと思っています。それに、外見が悪くても中身がとても素晴らしい人、というのもいたら良いなとは思いますが、実際に存在する割合はたぶん外見が良い人の中の割合とそんなに変らないんじゃないかと思っています。
思っているんですけど、そういう偏見の無い人が現れて、本質の美しいものを見抜く、というプロットに憧れているわけです。
そういう実際にはそうそうない(と個人的には思っている)けどあったらいいな、を観せてくれた映画だったので退屈な機上で楽しい2時間をすごせました。恐らく、こういう「良い話」が嫌いな人にとってはかなり不愉快な作品なんじゃないかと思いますが、そうでなければ自分と同じように楽しめるかもしれません。

ちょっと残念なのは、ロージーの心が美しいと観客に思わせるようなシーンが少なすぎる点。おかげで客観的なテーマの説得力に欠けるという致命的な問題がある気がしないでもないです。まあこれも私の場合は前述の妄想力によって回避されるわけですが。

この作品を観て、映画って本人が面白いと思う(思い込む)作品が面白くなるんだと気がつきました。何か間違ってる気がしないでもない今日この頃です。

 

|

« 上には上がいる | Main | 森の湖の国でした »

Comments

The comments to this entry are closed.

TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/45764/41530148

Listed below are links to weblogs that reference 妄想力って素晴らしい:

« 上には上がいる | Main | 森の湖の国でした »